ご挨拶

 

         虐げられたものを探し回帰・回生させよ!!

 

         大会運営委員長 小山 登

 

世の中の忘れ物と題して、パソコンの端に追いやられている項目がある。

 

『千島学説』・キムボンハン『経絡説』・『EM菌関連』等々世の中の日陰に存在する本物が沢山存在する事を整理してほしい。一度思考回路から脱落したら復帰・復活は非常に難解であることを。

 

 事例の項目が同じ範疇で云々されることは耐えがたきものがあるが,日本綜合医学会関西部会としては、全ての情報の共有ができる組織として発展して参りたいと存じます。

 

 さて、千島学説の内、全集の概要版として最も実用化されているのが『血液と健康の知識』であり、専門家でもない我々一般人が何回か熟読する事でその内容に近づく事が可能である。と評価します。特に気・血・動の一体一如感は人としての命を我が事として受け入れる最大の基盤であり始まりである。従って、現在各月の幹事会(世話人会)で勉強会が始まっているが、上記の千島喜久男博士の『血液と健康の知識』を教科書として新たな取り組みをしたい。関西部会の場合、大杉幸毅先生が主宰されている『血液循環療法協会』が一歩も二歩も先を進められている訳ですが、「論語読みの論語知らず」同様に素読から始めると判り易いと思う。

 

 又、1960年代に北朝鮮の医師キムボンハン氏のグループが発表した『キムボンハン経絡説』も可及的速やかに、回帰・回生を望みたい。キムボンハンの経絡説が発表されるや医学・医療の全世界に激震が走り、一世を風靡した訳であるが、その追試(科学的実証と経緯)が行われるや反体制(現代医学と医療の世界)から抹殺されてしまった懸念がある。しかし、日本でも約15万余人を超える鍼灸師たちが日常の治療の中で『経絡と経穴』を活用されている。総合病院や診療所内では毎日のように『ツボ・経絡』が頻用されている。実態を謙虚に正視すれば自ずから理解できる筈である。

 

 特に政治家と言われる先生方にもの申したい。これは持論であるが、毎回言うように『政治家』を目指したかったら、先ず『命の根源』(食糧問題)の学習と研鑽を優先させること。【一粒の米も一滴のミルク】も生産者がご苦労戴いているか体験・経験する事(最低5年、できれば10年)後に専門の知識・見識も同様に5年から10年かけて学び、それでも政治家を目指したければ立候補したら良い。基本の学習・体験が未納の人間は『地盤・鞄・看板』を言及する資格なし、とは政治家の前に一人の人間たれと言いたい。最近の自称政治家と謂われる人達の『お金』との縁の深い事。小生が子供こころに聞いた言葉は政治家を卒業したら、あとに残るのは『井戸塀』(いどへい)と耳に残っている。物理的に何も残らない。綺麗サッパリ。従って、後々まで人格・品格が顕彰される。当然の事。

国会議員であれば、国家と国民の安寧を図り、そのためには良きことも悪しきことにも先頭に立って貰いたい。声だけは高らかに、実態は何も行動しないのが代議士である。国民の範たるものとして猛反省してもらいたい。資質に拘らず、数だよりの(寄せ集めの)実態に民主主義がゆがめられてはいけない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

健康的な食の提案

                                         28回関西大会会頭

 

協和マリナホスピタル リハビリ科 健診科

 

              医学博士 福原 宏一

 

 国立癌センターなどのチームの調査によると野菜・果物・大豆製品・キノコ・サンマ・サバなどを多く摂取する人はそうでない人に比べ、死亡リスクが2割低く、循環器疾患による死亡リスクは3割、脳血管疾患による死亡リスクは4割低下すると発表しました。

 

 日本人の死因の1位は癌、2位は循環器疾患、3位は肺炎、4位は脳血管疾患です。寝たきりの原因のトップは脳血管疾患です。認知症の患者は増え続け、そのうち60%はアルツハイマー病ですが、その予防も治療も確実なものはいまだありません。また昔ほとんどなかったアトピーや花粉症などのアレルギーも激増しています。これらの病気を防いで、健康寿命を延ばすにはどうしたらいいのでしょうか。

 

肉食と油物の多い洋食の過剰摂取がこれらの疾患と深くかかわっていると考えられます。食の欧米化は病の欧米化を招いているのです。癌の種類では大腸癌・乳癌・前立腺癌など欧米に多い癌が増加しています。肥満・糖尿病・高血圧・脂質異常症などのメタボリック・シンドロームやアレルギーの増加も肉食・油物が多く、カロリーの高い食事が影響しています。

 

 和食は世界遺産に選ばれましたが、味が良くて健康的だということでしょう。私達は行き過ぎた洋食を改め、もう一度和食を復活させるべきなのです。1週間のうち2日は肉食で後の5日は魚貝類や大豆製品からなる純和食にするくらいがよいと考えられます。和食の唯一の欠点は塩分が多いことですが、自分で作って加える調味料を控えて薄味に慣れればよいのです。

 

 元気な百寿者は肉でも魚でも何でも食べるが量は少なめにしている人が多いようです。腹八分目以下の少食には認知症にならずに健康長寿者になる秘訣があります。故甲田光雄先生は「少食に病なし。認知症にもならない」と繰り返し述べていました。

 

 メタボリック・シンドロームを解消するには11600キロカロリーの食事を続けることですが、ただ食事量を減らすだけでは腹が減って耐えられない人が多いでしょう。コンニャク・海草・キノコ・葉菜はカロリーが非常に少ないので、これらのものを先に食べて腹をある程度満たした後、目的の食事を楽しく食べればよいのです。

 

 どんなアレルギーにも食事療法が極めて有効です。鳥獣から出たもの即ち肉・卵・牛乳の含まれたものは一切摂取しないことです。食事内容としては玄米菜食に魚貝類を加えたものにし、油物と甘いものは控えめにします。これを続ければ喘息や花粉症はすぐ症状が改善します。アトピーは長くかかりますが、軽症で半年、中等症で1年、重症で3年くらいの目途で、アトピーとわからないくらい改善します。

 

 以上、玄米菜食を主食とした純和食をお勧めします。言い忘れていましたが、朝夕青汁を飲むことも健康増進に寄与します。

 

 

 

 

            「ストレス時代における綜合医学」

 

            ―ストレス対処法を中心にー      

 

            吹野 治   日本綜合医学会副会長 ふきのクリニック院長 医学博士

 

ストレス社会といわれるように、現代は様々なストレスの要因があふれています。

 

過度のストレスにさらされると、自律神経のバランスは崩れ、血液循環は悪くなり、免疫力は低下します。そして、さまざまな病気の発症につながっていきます。一方、適度なストレスは身体的にも、精神的にも鍛えられ健康をつくります。従って、ストレスに上手に対処することこそ、健康に生きる鍵であるといえるでしょう。

 

◆ストレスとは生体のひずみ(図1

 

◆ストレッサーの種類

 

①物理・化学的ストレッサー(環境):寒冷、高温、熱傷、放射線、電磁波、騒音、大気汚染、水質汚染、食物汚染、化学物質など。②身体的ストレッサー(肉体):飢餓、過食、過重労働、不規則労働、薬物、身体のコリや歪み、病気など。③心理・社会的ストレッサー(精神):悩みごと……親子、同胞、夫婦、親族、上司と部下、同僚間など人間関係。配置転換、昇進、子育て、経済問題、配偶者の死、離婚、失業、倒産、就職困難、受験、倫理観の阻害など。

 

◆ストレスに対する生体反応(図2) 

 

ストレスを受けると①精神的、②身体的、③行動面でストレス反応が起こります。

 

◆ストレスと関係の深い病気(ストレス病)

 

①精神疾患:睡眠障害、不安障害(神経症)、パニック障害、うつ病、新型うつ病。 

 

②身体疾患:心身症、慢性疲労症候群、さまざまな愁訴と病気。

 

③行動異常:アルコール依存、薬物乱用、摂食障害、登校拒否、出社拒否、事故など。

 

◆職場性ストレスモデル(図3

 

◆ストレス対処法(身体面)

 

まず、有害物(ストレス)をできるだけ避けることが大切。

 

①正しいリズムで生活(睡眠、食事、運動など):早寝早起きし、働き過ぎには休養をとる。②運動:歩行などリズム運動は、抗ストレスホルモンのセロトニンを出す。

 

③栄養:ビタミン、ミネラル、タンパク質、食物繊維を十分にとる。甘いお菓子、清涼飲料水、冷たいものとり過ぎに注意。 断食・少食療法もよい。

 

 「低血糖」は情緒不安定、うつ病を招く。「鉄欠乏」は、うつ症状を招く。

 

④リラクゼーション法:自律訓練法(瞑想)、呼吸法、ヨガ、気功など。

 

⑤その他……環境改善、冷え対策など。温冷浴、日光浴もよい。

 

◆ストレス対処法(精神面)

 

①気分転換をはかる:スポーツを楽しむ、趣味をもつ(音楽、絵画、華道、書道、読書、旅行など)、娯楽を楽しむ(囲碁、将棋、マージャン、映画、演劇、テレビなど)。また、アルコールなどの嗜好品、入浴、会話、香り、動物を飼うこと、掃除、整理などもよい。

 

②笑う、泣く:涙にはストレスを一気に解消する機能がある。一方、笑顔は免疫機能を高める。面白くないけれども、「にもかかわらず笑う」こと。

 

③積極的な言葉、思い、イメージが大切:「良(よ)くなる。能(よ)くなる。善(よ)くなる」「ありがとう」「感謝します」「ツイテル」などを口癖にする。

 

④認知行動療法、森田療法的な生活:健康人らしく振る舞っているうちに健康になる。

 

⑤その他:人間関係づくり(コミュニケーション)、目的意識、生き甲斐、信仰も重要。

 

 

      「少食は世界を救う―デトックスから考える」

 

     森鍼灸院 院長  森美智代

 

 最近はデトックスがとても流行っていますが、少食はとても優れたデトックスです。少なく食べるということは、毒をためないことになります。

 

 そして、すでに体に溜まっている老廃物を出す浄化モードにも体を変えていきます。

 

体の脂肪の中に溜まっている老廃物は、体重減少を伴う少食や断食生菜食をすると体外に出ていきます。体の中の毒は、皮膚から断食疹、腸から宿便、鼻水、目やに、おりもの、尿、汗に交じって出ていきます。その時は、体臭がきつくなる場合があります。

 

 私が断食合宿を主催しているときには参加者の皆さんに、西式健康体操や療法をしていただいております。断食をしているからと言って寝てばかりだと、筋肉が痩せて、老廃物が溜まっている脂肪が溶けにくいです。

 

しかし、汗をかくほど激しい運動ではありません。減食中の激しい運動は脳貧血などが起こりやすいですし、汗をかくと水分と塩分とビタミンCが必ず減り、それを補充しないといけません。それから無駄に運動すると活性酸素がたくさん発生し、老化が進んだり、遺伝子を傷つけたりしやすいです。デトックスといって大量に汗をかくのは要注意です。

 

 西式健康法の体操は、金魚運動、毛管運動、合掌合蹠運動、背腹運動があります。前の3つの体操は、寝てやるたいそうで、2、3分するだけなので、汗をかくようなことは少ないです。しかし、腸が動きやすく、血液の循環はとてもよくなる体操です。背腹運動は、座ってする体操で、10分くらいです。左右に体を振りながらお腹の出し入れをするもので、宿便の排泄や癒着をとるのに効果があります。首から上の病気に効くと言われています。これも汗をかくことはありません。

 

 それから、裸療法、これは、パンツ1枚にタオルケットや毛布を被ったり脱いだりするものです。少し窓をあけて換気しながらやります。皮膚呼吸が盛んになり、一酸化炭素をより排泄しやすく、酸素をより取り入れやすい状態に導きます。気体の老廃物を排泄するのに優れています。

 

 また、温冷浴といって、水1分→湯1分→水1分→湯1分→水1分→湯1分→水1分→湯1分→湯1分→水1分と1分間ずつ交互に入浴する方法があります。疲労回復に絶大な効果があります。筋肉に溜まった疲労物質が取れてすっきりします。血圧の高い人や心臓の悪い方は避けた方がいいかもしれませんが、大変効果があります。半身浴で温まっている方も多いかと思いますが、長い間お湯に入っていると、血小板が活性化して血が固まりやすくなることもあるので、血液がドロドロの方は要注意です。

 

「 たくさん食べて、そのあとデトックス」でなく、「あまり毒をためない生活を習慣」にされると健康で長生きできると思います。

 

 

「薬を使わずに病気は治る―チェルノブイリ実践報告から」

 

         理事 血液循環療法協会会長 大杉幸毅

 

薬を使わずに病気は治る

 

我々の体には生まれつき備わった天然の妙薬があるので、外部から化学薬剤を入れる必要はありません。アトピー性皮膚炎や膠原病に多用されるステロイド剤は体内の副腎皮質から分泌されるコルチコイドとして本来備わっているのです。この様な疾患に血液循環療法を施術すると薬を使うことなく完治している症例が多数あります。高血圧症には全身の循環が良くなり降圧剤を飲むことなく血圧は適正値に下がります。

 

手技―血液循環療法の特徴

 

 血液循環療法は循環が悪い体質(瘀血)を改善して治療する最も有効な手技療法です。その特徴は、一つは患部を直接治療するので即効性があります。胃が悪いと胃を直接施術するので急性胃炎などは1回の施術で治ります。胃がんはがん腫を直接施術し循環をアップして軟化させます。二つ目は腹部治療をすることですべての内臓機能が活性化し治癒力がアップします。また心窩部大動脈の血流アップは心臓病に大変有効です。例えば心不全、脳梗塞で意識不明状態を3例回復させました。三つめは全身治療です。全身の動脈系をくまなく施術し全身の血流アップを図りますので、施術後患者さんは体が暖かく軽くなって動きが良くなり若返ったといわれます。体の硬化部(凝り)の循環が良くなり疲労物質が流れて解消されるからです。これにより体の隅々の細胞に酸素、栄養、免疫物質がいきわたり免疫力がアップするのです。血液循環療法は手で治療出来ますから、だれでもそのコツさえ覚えたら出来てセミナーでも勉強できます。手の届くとところは自己治療できるので健康教室で覚えておくと一緒の宝物です。

 

チェルノブイリボランティア治療

 

 226日から2週間、「食品と暮らしの安全基金」主催の「日本プロジェクト」に参加し放射能内部被ばくの子供たちを中心に延べ102人を治療して全て良くしました。特に脳性小児まひの子供の治療効果があったことは特筆すべきことです。福島で起こっている健康障害も「血液循環療法で対処」できることが実証できました。

 

脳性小児まひが改善

 

4人のうち3人が脳性小児まひ、1人がポリオで4人のうち3人が改善しました。14歳のビクトーリ君は生後左上肢がマヒし、脳腫瘍が発見され、左手と右足が短く、左心室障害で時々胸が苦しくなり、左目の動きが悪く、左手で食事が出来ず、左足趾の底屈が出来ませんでしたが、すべての症状が改善しました。母親ベリーナさんは「子どもの病気はおそらく放射能の影響だと考えています。ここは汚染地域なのできれいな食品は買える可能性はありません。治療していただき、腕の長さは等しくなり、足の指は動くようになりました。食事は右手しか使えませんでしたが、左手が使えるようになりすごい効果です。こんなに良くなるなんて最高です。」と感謝されました。

 

5歳のジーマ君は生後四肢麻痺があり、6回の治療で上肢の不随意運動が改善し、歩行バランスが良くなり足の動きがスムースに歩行ができるようになりました。3歳のサーシャ君は、介助歩行で悪い方の右足が良く前に出るようになりました。3日間の治療後、担当看護師と副院長から驚異的な効果だと驚かれ大変感謝されました。

 

また、四肢麻痺で側弯症の21歳の女性の症状を改善し、父親からも大変感謝されました。

 

 

 

 

「自分で出来る!心とからだ、地球の健康づくり」

                           医学博士 斉藤英治(健康英知研究所)

1)健康の新しい定義

 

今、世界では、WHO(世界保健機構)での健康の定義が改定される方向に進んでいる。身体の健康、こころの健康、社会的な健康に加えて、スピリチュアルな健康(つまり、精神的高みの健康、これを演者は英知指数、SQ:Spiritual Quotientと名づけた)、+ダイナミック(活動的)な健康。この5項目が健康の尺度。

 

2)心身健康の新しい尺度

 

健康度を向上させるには、単に身体だけでなく、脳と心などの面からも総合的な検討が必要である。前述の最近のWHOの「健康の定義」改定案などから、健康度指標(知能指数)として、次の四大指数が考えられる。

 

IQIntelligence Quotient脳の知能指数)、EQEmotional Q:心の知能指数)、BQBody Q、身体の知能指数、神経機能の機敏性)、SQSpiritual Q、精神的知能指数)。

 

3)四大知能指数(健康度指標)の相互関係

 

体、脳、心、精神の関係をよく見ると、体は、脳から神経系、免疫系、ホルモン系などを通して命令を受け、脳に報告している。つまり、体の上司が脳。脳は、その上位の心に報告し、心から命令を受ける。さらに、心と言うのは、感情的であり、完全なものではない。人間の本質は、つまり精神、スピリット、が心に指令している。つまり人間のからだや脳、心の最高責任者は、人間の本質である精神(SQ)である。これが人体の自然な命令系統であり、秩序である。

 

従って、精神(SQ)がしっかりしておれば、精神から自然に命令が心(EQ)に出て、心が脳(IQ)のほうに指令して、脳が体(BQ)のほうに指令するという秩序になっている。

 

ところが、その命令系統が乱れてきて、逆に、体のほうが脳に反逆したり、命令したりしてくる、この命令系統が乱れると、精神病やうつ病などになってくる。精神に対して、心が言う事を聞かない状態である。次に、心と脳の関係が乱れると、自己免疫症、心身症、リューマチなどになってくる。脳と体の命令系統が乱れると、自律神経失調症などが起こってくる。

 

このように人体に備わった自然の秩序が乱れることにより、多くの病気が起こる。従って、最も大切なのは、人間の本体、本質、精神的知能指数(SQ)を高めることにある。それによって、心身全体が調和して、健康と若さを発揮してくる。

 

4)地球の健康

 

人体の小宇宙と言われるように、人間の体は、約10兆個の諸細胞と諸器官から構成されているように、地球、宇宙は、人間などの諸細胞、地球、太陽系、銀河系などの諸器官から構成されている。つまり、人体と地球、宇宙は、相似形である。従って、地球、宇宙を構成する一細胞である自分という人間を良くしていくことが、周辺の細胞群、器官にも好影響を与え、結果的に地球、宇宙を良くしていくための基本となる。

 

5)精神的知能指数(SQ)の高め方

 

精神的知能指数SQの一例をあげれば、自分の生きている意味と価値がわかったか、生きがいが見えてきたか、自分の使命と役割がわかったか、総合的にものを見れたか、地球的視野、宇宙的視野で物事を見れるか。自分の意味と価値が分かり、生きがいや人生目標や夢が見えてきて、それを実践していくとき、SQ、精神的な最も高い指標となり、総合的健康と若さの原動力となる。

 

精神の知能指数の高め方は、体の場合は良質な栄養素の吸収とか食事法の選択、工夫によって健康が高まるように、精神的知能指数は、例えば、良い本を読む、良い番組を見る、良いお話を聞くとかいうことによって良質な知識を摂取する、学習法の選択と工夫。

 

身体の栄養の消化と同じように、こころに入れた知識の消化し、そしてこれを加工し、アイデアとして新しく創造し、発信、表現する。体に適切な運動が必要なように、精神的知能指数を高めるためには、理想の探求と実践、行動と言ったこころの運動も必要である。

 

6)21世紀型の老化モデル

 

それを達成するための大事な道具が脳である。脳細胞は、各人1000億個の脳細胞がある。大切なのは、脳細胞の数よりも、脳細胞から伸びる神経繊維とシナプス(接合部位)、これは後天的に、楽しい勉強によって、何歳になっても、あとからぐんぐん伸びてくる。一つの脳細胞から1000本、神経線維が伸びると言われている。この脳細胞と神経繊維の組み合わせのネットワークは、知識や知恵を形成する。

 

その組合せは、1000億個の何乗にもなるから、天文学的な数字であり、ほとんど無限である。従って、歳を取ってからでも、どんどん伸びるから、このことをおぼえて健康管理をすれば、老人ぼけや寝たきりになる可能性は少ない。むしろますます、脳細胞ネットワークは活発になってくる。

 

 

東京都老人総合研究所の調査では、ほとんどの人は、終末低下型といって、死ぬ数週間前から数ヶ月前まで元気にしていて、入院後数週間から数ヶ月で、寿命がきたら、死を迎えるという形をとる人が多い。 更に、これにSQの概念を入れると、SQは、歳を取るにつれて、心と体の総合的な健康度指標、知能指数はますます上がっていく。

 

 

本部ご挨拶

 

          NPO法人日本綜合医学会理事長 箕浦 將昭

 

28回関西大会の開催を心よりお祝い申し上げます。本大会の開催に際し、ご尽力頂きました役員の皆様に心より敬意と感謝を申し上げます。

 

 本学会は、1954年に、二木謙三先生(東大名誉教授)そして本学会永世名誉会長、沼田勇先生らによって創立された食医学の会であり、63年に及ぶ先人の活躍により今日を迎えております。そして、その食医学の源流は石塚左玄(医師・薬剤鑑)に行きつきます、左玄こそ我が国の玄米自然食の元祖でもあり我が国で最初に食育という言葉を用いた医学者でもあります。

 

当医学会の会員医師の先生方は、食養を含む生活改善指導で高い治療効果を上げ、多くの症例で実績を残こされ今日を迎えています。また、当会の食養学院の修了生の中には、自らの病の克服、家族の健康づくり、仲間と一緒に食育活動への取り組み、そして当学会の事業であるキッヅ食育セミナーのお手伝いなど、大いに活躍されていらっしゃる方もあります。本年度、第28回関西大会のメインテーマは21世紀の心とからだと地球の健康づくり」に取り組まれ自然に生かされている私たちを見つめ「食事で治そう生活習慣病、自分で延ばそう健康寿命」をサブタイトルで開催されます。

 

本大会のテーマの中で私達が今できる事は、健康への自立を目指し、食べ過ぎ、働き過ぎ、遊び過ぎ、心の不安などに正面から向き合い、病気を綜合的に見据え、「病気は生活の赤信号」病気は自らの生活の見直しの機会と捉える事です。そして死ぬまで現役の健康寿命を手にし、誰もが望むピンピンコロリの人生にしたいものです。そうするには自然に学び、自然に寄り添い、感謝と喜びの生活を心掛ける事です。自然に学び感謝する喜びは健康に欠かせません。国民医療費は増加を続け、平成27年は41.5兆円、介護保険が9.5兆円ついに50兆円を超え、実質医療費を費やしています。しかも毎年1兆円以上増加しています。このことは、お金をかけても健康と幸福は買えないことの証ではありませんか。

 

本日のサブタイトルであります「食事で治そう生活習慣病、自分で延ばそう健康寿命」自らの健康は自らつくらなければなりません。緊急時には医療と薬にお世話になりますが、この数字は健康と幸福は自らの手で掴むものだと言う事を教えてくれています。

 

今や健康寿命延伸産業の創設に政府は国を挙げて取り組んでいます。今こそ長年培ってきた食養を中心とする当学会の蓄積された実績が、お役に立つ時だと思います。

 

東洋医学、西洋医学、民間療法、本人の生活改善の実践を総合的に活用し、元気で明るい家庭を築き、会員皆様の素晴らしい成果を多くの皆様と共有出来れば幸いです。

 

 本日の関西大会で学んで頂いた事が、明日からの皆様の健康の一助となりますようお祈り申し上げご挨拶といたします。 

 

 

   発達障害のメカニズムー「シナプス症」の多様な症状とエピジェネティックな環境要因

 

 

 

                    医学博士  黒田洋一郎   環境脳神経科学情報センター代表

 

 日米欧韓における、自閉症スペクトラム障害(以下自閉症)、ADHD(注意欠如多動性障害), LD(学習障害)など発達障害児の増加は著しく、遺伝要因でなく何らかの環境要因が増加の原因であることは確定的である。発症の基本メカニズムは共通で、特定の脳高次機能に対応する機能神経回路発達の異常と考えられ,膨大な数のうち、どの神経回路(シナプス)の形成・維持に、どの程度の異常が起こったかによって症状が決まる。この基本メカニズムから、「自閉症スペクトラム障害」と表現される、発達障害児のもつ症状の著しい多様性、誰にでもある『個性』とよばれるようなものとの連続性、重なり合い(comorbidity)が理解できる。

 

 自閉症の関連遺伝子は既に数千以上報告され多様であり、直接、間接にシナプス形成・維持に関係する機能を持つ遺伝子がほとんどである。自閉症の「発症しやすさ=シナプス脆弱性の遺伝子背景」は、これら遺伝子の変異の組み合わせによる “超”多因子遺伝と思われる。胎児期に始まるシナプスの異常が主な病態であることは、おそらく統合失調症、うつ病(少なくとも一部)と共通で、これらの精神疾患をまとめる「シナプス症」という新しい概念を提唱したい。

 

 発症の引き金をひく環境要因も化学物質環境、養育環境など多様であるが、いずれも神経回路(シナプス)形成・維持にかかわる遺伝子の発現を変化させる広義のエピジェネティックな影響による。

 

 農薬、水銀、PCBなどの環境化学物質は,母親の人体汚染を経て胎児期や乳児期の子どもの脳に侵入し、脳内で活発に行われている脳高次機能の神経回路(シナプス)形成のうち,感受性期にある、症状、毒性物質ごとに異なる脆弱シナプスの異常を介して、発達障害の各種症状を発症すると考えられる。なお最近では精子、卵子、あるいは体細胞でのde novoの突然変異での自閉症の発症も注目されている。したがって環境要因として、遺伝毒性のある化学物質や放射性物質の影響も考えられ、それらの複合汚染が進みつつある日本では、発ガンばかりでなく発達障害の原因としても無視できない。最近文科省から公表されている、発達障害児ばかりでなく、知的障害児を含んだ、全般的な多様な「脳の発達の異常」は昨年(2016)、国立環境研の毒性研究者が農薬の安全性試験で使われているマウスの発達神経毒性を証明し、公表したことにより、最近使用が激増している、ネオニコチノイド系の農薬が主原因と疑われる。(詳細は、拙著『発達障害の原因と発症メカニズム』—脳神経科学の視点から(河出書房、2014,『科学』岩波書店4月号, 388-403,2017参照、後者は事務局にメイルいただければ全文のPDFをお送りします)。

 

 

 

 

「どうして食養生でアトピー性皮膚炎が治るのか?」

 

-栄養素オーバーフローモデルの提案―

 

薬剤師、食養指導士 谷尾敦子

 

.アトピー性皮膚炎の従来のとらえ方と最新のとらえ方

 

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitisAD)は従来乳・小児期に発症し、成長とともに自然治癒する疾患と考えられていた。しかし、近年は小児期を過ぎても治癒せず、成人性ADに移行する患者や、成人になってから発症する例も増えて、大きな社会問題となっている。

 

アトピー性皮膚炎という名前を提唱したザルツバーガー博士は、この皮膚炎をアレルギーの一つと捉えたために、世界の研究家の多くもそう考えてきた。しかし、オレゴン医科大学ジョン・ハニフィン教授は、食べ物やダニによるアレルギーというのはあくまでも二次的な要因で、ADを引き起こす根本的な要因は別のところにあるのだろうと考えていた。そのため、1980年にハニフィン教授が作成したADの診断基準は①痒み②典型的な皮膚症状③慢性的な症状④アトピー疾患の家族歴 この4つの内3つ以上が有る場合となっており、これが今でも世界共通の基準として使われている。(日本皮膚科学会による診断基準では、現在アトピー疾患の既往歴・家族歴を基本項目から参考項目に変更している)。ここには、「アトピー性皮膚炎はアレルギーである」という観点は全くないのである。

 

その後、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは別の病気であり、一部の患者に両方り患しているものがいるという認識が強まった。しかし、ハニフィン教授の新たな研究により、「アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの原因になる」という説が今は有力となっている。

 

AD患者には皮膚バリア機能が低下している人が多いことが近年明らかになっているが、それは体質的なものとされ、標準治療ではステロイド剤などで対症療法を行い自然治癒するのを待つしか方法はないと言われる。1)

 

一方東洋医学やその流れを汲んだ民間療法では、戦後の食生活の西洋化が原因とする考えから、食生活の改善(食養生)で症状を解消できる例も数多い。2)3)ただし、食養生でもなかなか改善しなかったり、逆に悪化する例も多い。

 

2.「食物に対するアレルギー」ではなくとも、アトピー性皮膚炎への食べ物の関与は否定できない

 

私は二人の子どものADを食養生で改善しながら、子どもたちや一緒に食養生の教室に通っている患者たちの皮膚の様子を詳細に観察した結果、ADには特定の栄養素の過不足が関係し、栄養素ごとに湿疹の形状も違うことに気付き、これを「栄養素のオーバーフローモデル」と名付けた。(後述)

 

このことを苦しんでいる患者たちに知らせ、私が立てた仮説が他の患者にも当てはまるか、共に確認するために、1996年にボランティアグループ「アトピーなんか飛んで行け!の会」を設立した。そして入会会員の内研究方針を理解し詳しい経過報告書や写真を提供してくれた方たち、交流会に参加して、症状改善の過程を観察させてくれた方たちの情報をもとに、論文にまとめた。4)

 

3.アトピー性皮膚炎の発症原因としての栄養素オーバーフローモデル

 

厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、1960年以降摂取エネルギーに占める糖質エネルギー比率は年々減少しているのに対して、脂質エネルギー比率は1960年の106 から1988年には255 に達し、年々増加傾向を示している。特に動物性脂肪の摂取量は1952年の4倍以上になっている。タンパク質はあまり変化が無いが、個人差には開きがあると思われる。

 

これらはどれも必要な栄養素であるが、食生活の欧米化により特定の栄養素の過剰または不足が生じ、血液中に過剰になったり、血管内に沈着したりするのが糖尿病、高脂血症、動脈硬化などの生活習慣病であり、皮膚や粘膜に症状が現れるのがAD、喘息、花粉症、中耳炎などと考えられる。肉類や乳製品の多食、植物油の摂り過ぎ、タンパク質の摂り過ぎ、砂糖や穀類の摂り過ぎ、必須脂肪酸の不足、つまり少なくとも4つの栄養素(飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、タンパク質、糖質)の摂取の過不足が関係していることを確認した。また脂肪酸摂取の過不足が皮膚角質層のバリア機能の低下にも深くかかわっていることを確認した。これらの症状が、あたかも余分な栄養分が皮膚や粘膜に溢れだす(オーバーフロー)ようなので、「アトピーの栄養素オーバーフローモデル」と名付けることにした。

 

これを湯船に見立てて考える。湯船の容積は体にとって必要な栄養素の量を表している。湯船から水をくみ上げるポンプは運動や季節、成長に必要な栄養素である。必要量以上に摂れば、湯船から溢れ出す。同じ食事をしていれば、家族で発症しても当然であるが、湯船の大きさは体格によって異なるため、子供だけ発症することも多い。ポンプが大きいほど害が少ないため、運動を始めて軽快したり、急に運動をやめて発症する例も多い。私の子どもたちは引っ越しを契機に改善と改悪に分かれたことがあるが、運動量が兄の方は12万歩に急増し、妹は3000歩に急減したためと思われる。

 

ADが昔は自然に治癒していたのは体が大きくなると湯船も大きくなり、自然に過剰状態が解消していたからだと説明がつく。現代は動物性脂肪の量も多く、大人でも過食が多いため、大人になっても過剰状態が解消できない人が増えていると言える。また、運動量が少なすぎて余ってしまう人が増えたと言える。10代以降に発症した人では、アルバイトを始めて毎日まかないで牛丼を食べだした、結婚して夫の好みで肉ばかりになったなど、食生活が大きく変化した人も多い。ADの原因を「アレルギー」と考えると腑に落ちないことも、オーバーフローモデルで考えると説明がつくことが多い。

 

5.科学的な証明について

 

今までは栄養素の影響を食べた食品の量でしか判断することができなかった。しかし、脂肪については野菜と一緒に食べたり、茹でこぼしたり、網焼きしたりと、実際に脂肪を摂取する度合いはかなり開きが生じる。また、同じ量を食べても、運動量によっても重症度が違ってくる。今後は血液検査や浸出液(リンパ液)などの測定によって、本人にとってどの栄養素が過不足しているかが判断できるようにしたいと思っている。現在は各脂肪酸の量を測定できる脂肪酸分画検査ができるようになったので、それを利用したい。また、タンパク質については、呼気中のNOの測定が現実的になってきている。細かいメカニズムについても今後多くの研究が進むことを期待したい。

 

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【参考文献】

 

1.朝比奈昭彦、アトピー性皮膚炎と食物アレルギー、アトピー性皮膚炎Update、医学のあゆみ Vo256. No1(2016),59-64

 

2.甲田光雄、アトピーの健康合宿に学ぶ、甲田療法の実践記録、52-77、創元社、1999

 

3.梅崎和子、家族みんなのアトピー・アレルギー料理ブック、1992、明石書店

 

4.谷尾敦子、「アトピー性皮膚炎の原因としての栄養素オーバーフローモデル」日本綜合医学会 綜合医学論文集第11集(2015

 

参考サイト「アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患」と思い込んでいませんか?-!Naverまとめ

 

http://matome.naver.jp/odai/2143185349240732101

 

 

        

 

おいしく食べて健康を作る

 

陰陽調和の重ね煮

 

 2017年7月9日

 

日本綜合医学会

 

()いんやん倶楽部 梅﨑 和子

 

 

 

Ⅰ いんやん倶楽部の養生家庭料理について

 

        ~日々の暮らしの中で「養生」を身につけること~

 

 1)養生とは?

 日本には江戸後期より庶民文化として貝原益軒の養生訓をはじめさまざまな健康書というものがあり、病気やケガをしないための暮らし方のコツともいえる〝養生〟について書かれています。これは、現代の予防医学にあたります。昔の人たちが体験的に集めたその言い伝えは、奥が深く、21世紀に生きる私たちにも通じるものが沢山あります。

 いんやん倶楽部では、その昔の人たちの知恵の集積である〝食養文化〟を、現代の生活で手軽においしくいただき、持続して実行できるよう昇華させてきました。

 いんやん倶楽部は、「家族の健康は毎日の食卓から」を合言葉に料理教室をスタートして以来、お陰さまで30年を迎えることができました。

 2)いんやん倶楽部の伝えたい三本の柱

 体力を強化し、自然治癒力を高める

 

 

 

一、日本の伝統食         日本の家庭で伝えられてきた料理は、

 

       山のもの、海のもの、里のものを取り合せた    

 

一、陰陽調和の重ね煮   ごった煮。

 

▽(陰)△(陽)調和の重ね煮は、その「ごった

                   煮」を現代に、おいしくからだにやさしく生かした料理法。

 

 一、昔ながらの台所手当て ① その人に寄り添い、思いやる気持ちが手当ての基本。

                ② 身近にあるものを生かして、体験的経験に基づいて伝えられている、家庭でできる治療法。

 

 

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3)自然のリズムに添った生活スタイル

    大自然の流れと心身を一体化し、つながりをもたせるのが日々の食卓

     ヒトも自然界の生きもの=「食・呼吸・運動・休養」のバランスをととのえ、気力を充実させ、こころの安定をはかる

 

○ 『身土不二』・・・気候風土との調和

   『食性』・・・ヒトのもつ生理的条件からみたバランス = 「進化にそった食べ方を!」

 

 

 

歯(合計32本)

臼歯20本(16)

切歯8本

犬歯4本

比率

5(4)

食材

五穀、準穀物(豆類)

旬の野菜、芋、海草

魚介類、他

食べ方

主食

副食

陰陽

中庸(調和)

 

 

 

 

 いんやん倶楽部の考える日本型ピラミッド

 

≪例≫「本朝食鑑」…「天の五穀を生じ人を養う所以は中和なる気を保持し、等しく万物を長養させるとあり中でも米について、病気のときは、薬となり健康なときにも薬となるので一朝一夕も人身から離すことができぬ」とある。

≪例≫「中国医学」…「自然界の動物の個々の生存のための食べ物内容は、ほぼ口腔の状況に見合って決まっているとし、“穀主体”“葉充”“畜益”“果助”と構成」

 

 

 

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○ 『季節からみた調和』

 「春」=風=持病がでやすい。頭痛、花粉症など「苦味を盛れ」=山菜、野草などに含まれるビタミン、ミネラルなど

「梅雨」=湿=関節痛、浮腫、下痢など「利尿効果のあるもの」=小豆、梅、玄米茶など

「夏」=暑=多汗による消耗、消化器の疾患など「酸味と水気を盛れ」=瓜科、ナス科など

「秋」=燥=大気の乾燥による皮膚のかさつきなど「糖質分を盛れ」=五穀、芋類など

「冬」=寒=寒冷のため手足の冷えや関節痛など「熱と油気を盛れ」=セリ科、ユリ科などの根菜類 

 

 

 

                             

 

Ⅱ 陰陽調和の重ね煮について

 

1)美味しい陰陽調和の重ね煮料理の基本

1.『一物全体食』・・・ 皮をむいたり、ゆがいたりしない、丸ごといただくファイトケミカル(ポリフェノール)、ビタミン、ミネラル、食物繊維など現代人に不足しがちな栄養素を補給

2.安心・安全な食材を使う ・・・ 自然醸造の調味料や無農薬の野菜など手当て食にも使える

 

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 3.陰陽調和の積み重ね料理 = 鍋の中は小宇宙

  旬の野菜には免疫力、抗酸化力、解毒力、酵素力などがあり、この力を最大限に引き出すことが大切

 

    ひとつの鍋に「旬」の陰から陽の野菜を組み合わせて調和させる

 

    ことは、ヒトが循環する大自然のエネルギーを丸ごと体内に取り入れ、心身の健康を維持することにつながる。

 

||

 

○伝統食 

 

○漢方の生薬に通じる

 

       五臓六腑の働きを整える   心身の安定   気力の充実

 

2)陰陽調和の重ね煮料理の利点と特色

     ・素材の旨味を引き出した自然な美味しさ

 

・旬の野菜を幅広くたっぷりと食べられるので微量栄養素が補える

 

・対流がスムーズにおき、短時間で調理できる

 

・エコロジークッキング

 

・白砂糖を使わず油の使用量はわずか=調味料の味ではなく素材の滋味でいただく

 

・栄養分の損失が最小限

 

・アレルギーの人や生活習慣病のある人に最適

    離乳食、介護食に最適 = 旬の野菜を丸ごといただくことにより、大自然と私達の心身を一体化し、健康をつくる

  •  

     

     
     

    魚 介             

              穀 物

             根 菜            

             芋 類

            葉菜・果菜

              きのこ・海草      陰

      

     

  • 3)食が変われば身体と心が変わる

     

    ○ 素材の味をしっかり教える ⇒ 舌が変わる ⇒ 身体()が変わる

                            ⇒ 家族が変わる ⇒ 積極的養生管理

    ○ 体験的に積み重ねてきた「家庭料理の力」 「おばあちゃんの知恵」の継承

                                   ⇒ 家族の健康と幸せ

     

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                                                生活習慣病に薬はいらない

 

                         日本綜合医学会会長 医学博士 渡邊 昌

 

日本は超高齢社会となり100歳以上の人は6万人を越えた。このような長寿には生活環境の向上と医療の進歩などが貢献しているが、一方で健康寿命は10年も短いという問題も指摘されている。一億総活性化で活力ある社会をつくるには介護のいらない自立した生活を目指さねばならない。

 

食と健康の問題はようやく医師や一般の人にも認識されるようになってきた。しかし、西洋式の栄養素を重視する栄養学は近年大きく変わってきた。日本綜合医学会では玄米・菜食による長年の生活習慣によって健康長寿を目指してきた。私たちが昨年から行っているGENKI STUDYには1000名以上の人が参加してくれたが、やはり玄米食者の健康状態が確認できた。

 

少子高齢化社会を迎えて私たちはどう生きればよいのか?いままで成人病、つまり歳をとると自然にがん、脳卒中、心臓病、糖尿病などになると思われていたが、それらのほとんどは長年の生活習慣の結果として起きる。私たちは「食・こころ・体」を正し、悟性の生活を目指すことで「治未病」を実践するモデルを考えた。断食や甲田式食事療法はケトン体や腸内細菌との共生を通じて病気にならない生活のキ―となる。

 

食事は健康に大きなかかわりを持っている。今まで栄養素とは考えられていなかったさまざまな化合物が、生活習慣病の予防におおきな効果を発揮している。既知の栄養以上に何らかの健康に役立つ機能をもっている食品を”機能性食品”と呼ぶようになってきた。化学的に解明された物質は「食品因子」と呼ばれる。いまや600以上の有効物質が研究されサプリメントとなっている。これら栄養素として挙がられていないポリフェノールや超微量金属などは地味豊かな土地からとれる野菜から摂るのが一番良い。有機農業は土壌菌との共生を促す。

 

  これからの対策として肥満克服により糖尿病や高血圧症を減らすこと、慢性腎不全の進行を遅らせること、超高齢化社会において老人の自立を支援すること、などが食養指導士に求められている。また健全な食生活を送れるようにするために「食育」も重要である。

 

最近は健康教育(食育)にからみ、生活習慣の変容や修飾に心理的な側面も検討されるようになった。次世代を育てる食育は地域の活力を高めることが確かめられてきた。健康長寿社会の達成に食育の果たす役割は大きく、まさに栄養学を世界で初めて提唱した佐伯

 

矩の「ひとも国も食の上に立つ」と石塚左玄、二木謙三らに始まる食養の流れを融合させた綜合医学が求められている。